先週末の日曜日、10月27日の夕方に、カメラータ・ムジカーレさんの演奏によるバロックコンサートを開催しました。今回のテーマは「ヴェルサイユの響き」。5名の演奏家による、躍動感ある素晴らしいコンサートとなりました。
カメラータ・ムジカーレは1974年に結成された古楽アンサンブル。みなさん他にお仕事を持ちながら、もう40年近くも演奏し続けています。その熱意がこちらにも伝わるのでしょう、聴く側の心にもしっかりと演奏が響き、気分が高揚してきます。リコーダー、フラウト・トラヴェルソ、バロック・ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、そしてチェンバロ。豪華な楽器のハーモニーを存分に楽しませていただきました。
プログラムにはフランスの作曲家、マラン.マレーの「膀胱結石手術の描写」というものがあり、大変面白い曲でした。当時のフランス上流社会は塩漬け保存した肉を大量に食べていたため、結石になる人が多かったそう。しかもその手術に麻酔はありません。成功するかしないかも神のみぞ知る。だからこそうまくいって退院できたときには激し喜びが待っている・・・そんな姿を音楽で描写したのがこちらの曲。楽譜にはナレーションが書いてあり、もとはナレーション付きの曲だったそう。ただ曲とナレーションはかぶってしまい、邪魔に感じることもあるため、今回は字幕に初挑戦。この字幕と音楽の具合が絶妙で、聴く側にも患者の怯えや苦しみ、そして退院した喜びが存分に伝わりました。皆さんとても楽しそうに笑いながら聴いていました。
カメラータ・ムジカーレさんの演奏はダイナミックで、気がつくとその世界に引き込まれてしまいます。みなさんバロック音楽のことになると話が止まらなくなるそう。そんな情熱が聴く側にもきっと伝わってくるのでしょう。
子供コンサートと大人コンサートの最後にはそれぞれの楽器についての解説をしてくれました。チェンバロが音を出す部分には鳥の羽の芯が使われているそうで、羽を触らせていただきました。またチェンバロの装飾が凝っているのは、サロンなどに置かれる際に、インテリアとしての役割もあったからだそう。
コンサート終了後には演奏家を囲んでワインとともにミカエルの料理をいただきました。どのテーブルも話に花が咲き、バロック時代のサロンを思わせる和やかな会となりました。カメラータ・ムジカーレの皆さん、素晴らしい演奏を本当にありがとうございました。
★次回コンサートは11月23日、「リコーダーとボジョレーの共演」です。演奏家はアンテロープ リコーダー・コンソートさん。ボジョレーの飲み比べもコンサート終了後に行います。皆様のご参加お待ちしております。
【カメラータ・ムジカーレ 演奏家】
リコーダー 山本勉さん
フラウト・トラヴェルソ 曽禰寛純さん
バロック・ヴァイオリン 角田幹夫さん
ヴィオラ・ダ・ガンバ 渡辺比登志さん
チェンバロ 和田章さん
【プログラム】
★子供コンサート 「バロック楽器の響き」
F.クープラン 恋のうぐいす ~ チェンバロ組曲集より(リコーダーとチェンバロ)
J.S.バッハ シシリアーノ ~ フルートとチェンバロのためのソナタ 変ホ長調 BWV1031より
J.S.バッハ アリア ト長調 、マーチ ニ長調 ~「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」より
J.M.ルクレール バディネリ ト長調 ~「音楽の愉しみ」第2集より
★大人コンサート 「ヴェルサイユの響き」
F.クープラン:ピエモンテ人/ソナタ ~ 「諸国の人々」より
F. Couperin/La Piémontoise [Sonade] from “Les Nations”
M.マレー:膀胱結石手術の描写 ~ ヴィオール曲集 第5巻より
M.Marais / “Le Tableau de l'Operation de la Taille” for Viola da gamba and Basso continuo
J.M.ルクレール:シャコンヌ ~「音楽の愉しみ」第2集より
J.M.Leclair/ Chaconne from “Deuxième Récréation de Musique” Op.8
N.シェドヴィーユ:リコーダーと通奏低音のためのソナタ ト短調 ~「忠実な羊飼い」より
N. Chedeville /Sonata for Recorder and Basso continuo in G minor from“Il Pastor Fido”
J.B.de ボワモルティエ:5声の協奏曲 ホ短調
J.B. de Boismortier/
Concerto for Recorder, Violin, Flute, Viola da Gamba and Basso continuo in E minor Op.37-6