11月1日は、Tous Saints。 全ての聖人の日=万聖節。先祖の霊が帰ってくるので、花を持ってお墓参り。HALLOWEENは、Hallow(神聖な) + een = even = evening (夜)=万聖節の前夜祭。が、フランスには前夜祭の習慣はありません。
11月1日はキリスト教化される以前の古代ケルト人にとっての新年で、その前日に死者の霊が家族を訪問。家族ではない悪霊も蔓延。追い払うためにランタンが不可欠。アイルランドではカブをくり抜いていましたが、アメリカに移住したら、より適したカボチャを発見。以来Jack-o’-lanternはカボチャに。
フランスにHalloweenはないけれど、Tous Saints はある。出所は同じですね。
ところで、日本で最も多い名字は佐藤さん。フランスはMartin(マルタン)さん。フランス全土にSt.Martinという教会も沢山あります。
11月11日は聖マルタンの日。半裸の乞食に自分のマントを半分に裂いて与えたりした、人気の聖人。4世紀の人で、当時のフランス、ガリアでのキリスト教布教に尽力。ロワール河沿岸に葡萄栽培を本格的に導入したとも言われている。だから醸造家の守護聖人。葡萄栽培者はこの日に新酒の味見をする。
そしてなぜか、聖マルタンの日にガチョウのローストを食べる。この日の伝統料理は栗を詰めた七面鳥のローストである! と確信している人が多いけれど、新大陸発見までヨーロッパに七面鳥は存在しなかったので、元々はガチョウ。
11月の第4木曜日なので、日はずれますが、アメリカの感謝祭Thanksgiving Dayの七面鳥のローストと共通です。
11月第3木曜日は ボジョレー•ヌーボー解禁。
10年以上前にモンペリエに留学していた際、いつも通り夜スーパーで買い物をして外に出たら、人通りの多さにびっくり。そこら中のカフェに人が溢れて騒然としている。「今日は何なの?」→「ボジョレー•ヌーボー解禁の日 」 でした。
11月第3日曜日は その年のブルゴーニュワインの相場を決めると言われるホスピス•ド•ボーヌのワイン競売会。
そして11月25日は聖カトリーヌの日。昔のフランスでは(今は違います!)25才までがJeune Fille(若い娘)で、25才を過ぎて結婚していなければVieille Fille(年寄り娘=オールドミス)。「25才&独身」のピンチの冬、この日、若い娘の守護聖人である聖カトリーヌの助けを一心に祈りながら、最後のチャンスを賭けて、一見して25才と分かる巨大で珍奇な帽子を被って、舞踏会へ行く。この人たちをCatherinette(カトリネット)と呼びます。
現在では、オートクチュールのメゾンがクリエイティブな帽子を発表する機会に。
キュルチュールの11月は、子供講座にて、学んでいる言語で一生懸命表現する子に報いる「バイリンガル・コンテスト」、ワイン関連のイベント、講座、そしてバロック演奏会を開催。
サロン・ダランの今月のテーマは Massif centrale。 中央山塊のオーベルニュ地方とリムーザン地方の郷土料理が学べます。聖マルタンの日にちなむ料理かお菓子も登場するので、お楽しみに !
2008年のボジョレーのできは?
8月、局所的に雹の被害があったため、今年のボジョレー•ヌーボー全体の生産量は減ります。
だから、安価な大量生産を目指す生産者には打撃の年。
ただ、同じ畑の面積を用いて、生産量が減るということは、品質が上がるということ。
品質を左右するのは、長年培った「畑の豊かさ」と「職人の技」。
厳しい気候条件によって、上質のものが予め選別される年。
豊かな香りと味。Pêche de vigne(葡萄畑の桃;小さめの黄桃)の味わいが予測されています。
ボジョレー•ヌーボー と
ボジョレー•ヴィラージュ•ヌーボー どう違う?
ボジョレー•シューペリュールとボジョレー•ヴィラージュではどちらが高品質?
そもそもボジョレーとは、ブルゴーニュ地方南部のワイン生産地名。
ワインにおいては、地域が限定されるほど、狭くなるほど、高品質。
「ボジョレー」は、ボジョレー地区南部で大量に生産され、「ボジョレー•ヴィラージュ」は北部40の村で生産されるものに限定されるので、こちらの方が高品質。
「ボジョレー•シューペリュール」は好天に恵まれた「ボジョレー」に適用されるので、「ボジョレー•ヴィラージュ」の方が上。
それぞれに 「ヌーボー」と付くのは、その年に収穫された葡萄を房ごと投入した密閉タンク内で、炭酸ガス気流中に数日置いて急速に発酵させる「マセラシオン•カーボニック」(直訳すれば、炭酸ガス漬け込み法、正式には炭酸ガス浸漬法)という醸造法で作られたもの。
ルビー色の輝きと新鮮な果実味が特徴。半年以内に飲みます。
「ボジョレー•ヴィラージュ」の上に、生産地をさらに限定したものとして「St.Amour 」や「Moulin à vent」など「Les Crus du Beajolais」と呼ばれる10の銘柄ワインがあります。
フランスの農業の伝統における11月は、収穫を終え、種まきを終え、葡萄に肥料をやり、余分な枝を切り取る。
あらゆる木が根付く時期なので、果樹を植える。
現在の諸活動においても、是非そうしたいものです!
キュルチュール•インターナショナルクラブ
マガロン アラン&依子
講師チーム一同
2008年11月7日金曜日
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